
1997 年の創刊 7 周年を記念して、Adam は TidBITS の縁起についての記事を書いた。
文: Adam C. Engst <ace@tidbits.com>TidBITS は今週で創刊 7 年を迎え、我々もインターネットでは相当の古株になってしまった。TidBITS のことをまだ余り御存じない(大多数の)方々のために、今回の記念日を機に少しご説明しておこうと思う。1990 年の4 月 に、Tonya と私が HyperCard 形式の TidBITS 創刊号をインタネットに登場させ(第 99 号までは HyperCard 形式で発行したが、その後はsetext に変更した)、以来、週刊で発行し続けている。その間、Apple 社の最高経営責任者が交代し(Sculley 氏、Spindler 氏そして Amelio氏)、Apple 社の景気も目まぐるしく変り、数え切れないほどの Mac が登場し、Macintosh クローンが生まれ、インターネットが勢いを増し続け、World Wide Web が成長し、Java が台頭し、そして、WordPerfect 社、Aldus 社、Borland 社、Ashton-Tate 社、Lotus 社のような業界の大物達はそれぞれの盛衰をたどった。
TidBITS が創刊された頃とは世の中は全く変わってしまったのだとおっしゃる方がいるだろうし、多くの点でそれは事実だろう。なんと、昔のエープリルフールの冗談で、現実になってしまったものもある(例えば、 TidBITS-052 )。だが、あらゆるものが加速度的に変化し続けると同時に、あらゆるものが昔とほとんど変わらずにあり続けているとも言うことができるのだ。Microsoft 社は、相変わらずコンピュータ業界で幅を利かせている。Apple 社は、未だに時としては不当なまでにマスコミからいじめられている。Mac OS は、今なお最も学び易くかつ使い易いオペレーティングシステムである。Macworld Expo は、あまりにも毎回変化が無いので、どの回で何があったのかを思い出すことができないぐらいだ。
数字で表す TidBITS -- TidBITS にも、この二分法(時には辞書に手を伸ばさなければならないような単語をあえて使うことがあるが、勉強になると思っていただきたい)が入り込んでいるのだ。HyperCard 形式から変更して以来、私たちは一貫して今の形式を堅持し、各号の本文が 30K を越えないという非公式の制限を(特別号若干を除いては)確実に守っている。TidBITS の読者数は、今なお破竹の勢いで増え続けている。我々の英語版のメーリングリストには(当初は Rice 大学の御好意により、LISTSERVを用いた IBM のメインフレーム上で動いていたが、現在は Power Mac 7100に StarNine 社の ListSTAR を載せて動かしている)、1995 年 4 月には約 19,000 人、1996 年 4 月には約 37,000 人、現在は 46,000 人ほどの購読者が登録されている。TidBITS は、1995 年 4 月、65 ヶ国に向けて発信されたが、現在その数は、106 ヶ国にも上る。その中には、2 年前にはインターネットに繋がってさえいなかっただろう国もある(また、国として存在さえしてなかったところもある)。この数字に貢献したいという方は、<tidbits-on@tidbits.com> 宛にメールを送ると TidBITS を購読できる(もちろん無償で)ということを知合に教えてあげて頂きたい。
我々が毎週の実際の読者数をはじき出すことができないのは、再発信しているリストがあったり、comp.sys.mac.digest ニュースグループのようなとても追跡調査のできない人の出入りの多い場があるからだ。それでもなお、必要だと思われる限り多くの方法で発行するように常に本気で取組んでおり、電子メール、FTP、Usenet ニュース、そしてもちろん Web 経由の発行を今後も行っていくつもりである。TidBITS の最新号および既刊の各号へのリンクについては、我々の Web ページで確認していただきたい。
トップ 7 -- 英語版の国別購読者数の上位は、米国、カナダ、日本、オーストラリア、英国、ドイツ、スウェーデンである。我々のリストに登録されているインターネットプロバイダのトップ 7 は、AOL、EarthLink、CompuServe、Netcom、MindSpring、Northwest Nexus、AT&T WorldNet。リストにあるプロバイダ以外の会社のトップ 7 は、Apple 社、Motorola 社、Hughes Aircraft 社、Microsoft 社、DuPont 社、McDonnell Douglas 社、Schlumberger 社。教育関係のトップ 7 は、Minnesota 大学、Stanford大学、Michigan 大学、Cornell 大学、Washington 大学、Texas 大学、Harvard 大学である。
数年にわたる我々の業績の中で最も誇れることは、全期間を通してきちんと毎週発行し続けていることだと個人的に思っている。当初、紙の出版物と比べタイムラグが短い情報を週刊で流していたので、情報の速いコンピュータ関連報道誌の中でも群を抜いていた。近ごろは、文章がなっていない調査不足のニュースが日々押し寄せて来るようになり(MattDeatherage 氏の MDJ と Ric Ford 氏の MacInTouch は、例外中の例外である)、避けるのも難しいぐらいである。我々は、ただ単にニュースを報じるだけとういう行為を避け、その代わりに、読者の方々が全貌をもっとちゃんと理解できるように、状況説明や分析も伝えるようにしている。そして、役に立たない情報で読者の頭をかき乱したくないということを理由に、時には取り上げない事柄もある。それが、情報の垂れ流しではない、出版物のあるべき姿だと思っているのだ。
<http://www.gcsf.com/>
<http://www.macintouch.com/>
財政 -- 今まで TidBITS を無償で発行し続けていることは、喜ばしい限りである。TidBITS のお陰で金持ちになったということはないが、損失はまだ一度も出していない(収益報告をお知りになりたい方のための情報:我々の昨年の純益は Apple よりも 9 億ドル多かった)。TidBITS はおおむねスポンサー収益で成り立っており、これにより、Technical Editor のGeoff Duncan と Managing Editor の Jeff Carlson を雇うことができているのだ。彼らの協力が無かったら、我々が重視している質を保ったまま発行日を守り続けるということは無理であろう。TidBITS は理想の高い事業である一方、ビジネスとしても成り立たなければならない。
我々がスポンサーを持つようになった 1992 年の 7 月は、まだ Web が登場しておらず、インターネットでの広告に至っては、今日のように当たり前のものになるどころか受け入れられさえもしなかった時代だったというのはなかなか興味深い。初期の頃我々のスポンサーになってくれたところには、買収されてしまったり、跡形も無くなってしまっているところも少々あるが、現在のスポンサーおよびかつてのスポンサーの大方が、熱烈なMacintosh および インターネット支持者ということで知られている。NisusSoftware 社、Dantz Development 社、APS Technologies 社、Northwest Nexus 社、PowerCity Online 社、Hayden Books 社、InfoSeek 社、Power Computing 社、America Online 社、EarthLink Network 社、Aladdin Systems 社、Small Dog Electronics 社、そして最も新しいスポンサー StarNine Technologies 社が、そういったスポンサー達だ(登場順)。
Macintosh またはインターネット関連会社で、TidBITS のような質の高い無償の情報提供のスポンサーになり、毎週数十万人の読者の目に触れたいとお思いになるなら、Tonya <tonya@tidbits.com> まで連絡を取っていただければ、詳細をお知らせする。Apple 社や Claris 社がそのうち我々のスポンサーにならないとも限らない。
翻訳 -- 1996 年は、各国語に翻訳された TidBITS が登場した年であった。日本語版チームは、 TidBITS-281 以来頑張ってくれているが(彼ら独自のメーリングリストには 8,600 人以上の購読者が登録されている)、それ以外の 5 つの言語の翻訳チーム(中国語、オランダ語、フランス語、ドイツ語、スペイン語)は、基本的に 1996 年に登場した。様々な国の人々にとってタイムリーな情報の数少ない発信地の一つとして我々が古くから存在し、国際的な視野を持ち続けるようにしていることで、6 ヶ国語の翻訳版を発行できるということは、光栄の至りである。例のごとく、時々記事を翻訳して、ボランティアの翻訳チームに貢献したいという方は、我々の Web サイトで、担当のコーディネーターの連絡先を確認していただきたい。翻訳作業に協力して下さる方をお待ちしている。
<http://www.tidbits.com/about/translations.html>
補足文献 -- TidBITS 史に関心を持って、今までの記念号を覗いてみようかと考えている方がいるかもしれない。その場合は、 TidBITS-001 、TidBITS-120 、 TidBITS-173 、 TidBITS-222 (一番詳しく書かれている)、 TidBITS-273 、 TidBITS-324 をご覧頂きたい。TidBITS が各号ごとにオンラインで入手可能になっていることは我々の自負するところでもある。これを実現するためには、2 度変換を行わなければならなかった。最初は、私の妹の Jennifer Engst が 1992 年に行った、創刊号から 99号までの HyperCard から setext への変換。2 度目は、1996 年末にTidBITS の寄稿ライターである Matt Neuburg が行った、275 号までのsetext のものの HTML への変換だった。お陰で、我々の Web の存在を実りあるものになった。我々の Web サイトからそれぞれ入手可能になっているので、御利用頂きたい。
<http://www.tidbits.com/tb-issues/>
終わりに、TidBITS が、今年プライム(2 や 3 で割り切れない素数)の年にプライム(全盛)を迎えているのだと実感している。4 年後に来る次の素数の年に、まだ発行し続けているかどうかは分からないが、中止の計画はない。
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